どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

身勝手の極意と超サイヤ人ゴッドの関係

 悟空の現状最強の形態である「身勝手の極意」ですが、本来は「極意」の名の通り形態というよりは技に近いものであり、それ故にコミック版「超」では亀仙人がそれに近い技を披露していたりします。

 また、「力の大会」では最強の戦士であったジレンは、映画「スーパーヒーロー」で戦闘力自体は悟空やベジータと大差なく、作中で大きな実力差があったのは力の使い方の無駄の無さ(アニメの演出ではそうは見えませんでしたが)によるものということが語られていることもあり、基本的に「超サイヤ人ゴッド」以上の領域では、戦闘力の高さよりも気の扱いの技巧の差により実力差が生じていると考えることができます。

 しかし、悟空の身勝手の極意はどちらかと言うと「変身」に近い扱いで、任意発動がまだできないものの超サイヤ人ゴッドの上位形態(髪が逆立たないのでブルーの延長ではない)のように見えなくもありません。実際のところ、身勝手の極意とは何なのでしょうか。

 

 その本質は、「復活のF」でウイスが説明していたように、「考えるよりも先に身体が勝手に動く状態」であり、無我の境地のような精神状態の類と考えた方が良いのかなと思います。見た目はあまり変わらない「兆」の状態の方がよりそれっぽく、銀髪に変化する完全な状態はある意味気の質が変化している状態と言え、超サイヤ人とは別種の気を纏うことで身勝手の極意を扱える状態をコントロールしていると考えることもできます。

 ジレンは身勝手の極意を会得しているわけではないにもかかわらず、身勝手の極意の状態の悟空と互角に戦えていたことから、力の使い方を限りなく極めていたと考えられます。悟空の身勝手の極意は反動が非常に大きいことから、ある意味界王拳のように体に負担をかけることで無理矢理極意の状態を維持していると考えられ、それではジレンを一瞬圧倒できても勝つのは難しかったでしょう(ナメック星での悟空とフリーザの逆パターン)。

 悟空は映画「ブロリー」で超サイヤ人ゴッドになった際、相手の力をいなすような戦い方をしていましたが、おそらくこの方向性の延長上に身勝手の極意があると考えられます。超サイヤ人ブルーは、超サイヤ人と同様に気を常時纏うことで戦闘力の上昇を実現している形態ですが、この戦い方ではパワーロスが大きく、ジレンのような領域の戦士には通用しないということになります。超サイヤ人ゴッドは、神の気を得るとっかかりのようなもので、その気の練り方を覚えれば、変身せずともかつての超サイヤ人3以上の戦闘力を発揮することが可能でしたが、そのような平時でも精度の高い気を練ることができる領域の先に身勝手の極意があるのではないかと思います。

 かつて悟空は常時超サイヤ人でいられるようになることでより高い戦闘力の発揮が可能となりましたが、常時神の気を纏うくらいのことはできないと、身勝手の極意を極めるのは難しいように思います。少なくとも、反動が大きすぎる戦い方は本来の身勝手の極意の目指すところではないと思われ、銀髪の形態は一時的に極めた状態を維持するためのテクニックでしかないのかなと思います。超サイヤ人3みたいに後から邪道な変身として扱われるかもしれません。

 そもそも、超サイヤ人ゴッドは「神の気」を会得しているだけで、気の純度が上がっている以外に大きな違いはなく、必ずしも身勝手の極意を会得する条件ではないと考えられます。ただ、ウイスビルスは神の気を得て身勝手の極意を習得しているのでしょうから、純度の高い気を纏った方が身勝手の極意には近づきやすいのかもしれません。しかしジレンは神の気を得ているようでもなければ身勝手の極意を使用していたわけでもなく、単純に気の使い方、力の使い方を極めているだけの人だったので、神の気や身勝手の極意だけが更なる強さを得るための手段ではありません。

 

 個人的に、身勝手の極意に一番近かったのは映画「超サイヤ人孫悟空」に登場した擬似超サイヤ人だったんじゃないかと思っています。無意識の状態で本能的に相手を攻撃するという戦い方は、身勝手の極意やジレンにも通じるものがあります。その意味では、身勝手の極意は理屈とテクニックで行うものではなく、本能的なものに頼る部分が大きく、おそらく神の気を纏っていないであろう悟飯ビーストやブロリーが、神の気を持つ超サイヤ人ブルーよりも上位であるように見えるのもその点にあるのかもしれません。

 その意味では、悟空が身勝手の極意を完全に会得するためには、大猿の力が必要だったりする可能性もあるのかなと思います。それだと超サイヤ人4+身勝手の極意というヒーローズでも成し得ない究極の形態になりそうですが。

 

 いずれにせよ、身勝手の極意は超サイヤ人ゴッドの気を下地に、無意識で戦う力が必要になると考えられます。同等の極意を得るにも、神の気に匹敵する戦闘力を無駄のない戦い方法で行使する必要があり、今後のドラゴンボールのインフレの方向性はここにありそうです。