どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

人造人間の永久エネルギー炉について考える

人造人間は人工物だから気がない、というのがドラゴンボールの基本設定ですが、しかし人造人間も気弾のようなものを発射することができます。これは気でないなら何なのでしょうか?

エネルギー吸収型の人造人間は、人間から気を奪うことで自分のエネルギーに変換しています。そのため、人間の「気」をベースにしていることは間違いなさそうです。ただその質が変わっているため、普通の人間のように感知することができないということなのでしょう。

どんな人間にも少しの気があるという設定ですから、おそらく気の根源は生命エネルギーで、人間が生命活動している限り気を使用しているということになります。その生命活動を感知することができるのが作中のキャラクターたちで、人造人間の場合は人間の生命活動とは違う動力源で生きているから感知できない、と考えるべきなのかと思います。

 

少なくとも16号以降の人造人間は、エネルギー吸収式と永久エネルギー式の2種類が存在します。エネルギー吸収式は、有限ですが人間からエネルギーを補充できるタイプで、永久エネルギー式は、人間からの吸収を行わなくとも無限にエネルギーを生成できるものと考えられます。

この永久エネルギー式というのが限りなくオーパーツで、このシステムがあれば人類はエネルギー問題を解決できるんじゃないかと思うのですが、そもそもドラゴンボールの世界のエネルギー源が不明なため(アラレちゃんも存在しているわけですし)、すでに珍しくない技術なのかもしれません。

いずれにせよ、人間の生命エネルギーに相当するエネルギーを無限に生成できるのですから、その技術は驚異です。おそらく食事も排泄も不要ですし、老化もしないので、ある意味ではフリーザベジータもドクターゲロに改造してもらえばドラゴンボールを使わなくても不老不死になれたことになります(笑)。

おそらくこの永久エネルギー炉を開発できたことで、人造人間の戦闘力が大幅に高まったのだと思います。フリーザ超サイヤ人以上のパワーを発揮できていたのは、この無限に生成できる人工の気の出力によるものでしょう。当時悟空の戦闘力をサイヤ人編レベルで想定していたドクターゲロにとっては、強くなりすぎてしまったと考えても致し方なく、16号は世界を滅ぼす力、17号・18号も言うことを聞かないため迂闊に動かせない存在と認識していたのも当然なのかもしれません。

 

永久エネルギー炉のもう一つの謎は、セルが吸収するとエネルギーが無限ではなくなるということです。そもそもセルの気は感知できるのですが、これはセルが人為的に生み出された生物であるからで、決して機械の動力で動いているわけではありません。おそらく、吸収した17号と18号の永久エネルギー炉は、自身の生命活動のエネルギー源にしているのではなく、自身の進化のためのエネルギーとして使用しているのではないかと思います。だから18号を吐き出すと退化してしまうわけです。ただ、体の構成物質として必須なのではなく、あくまでも形態を維持するためのエネルギー源として使用しているだけなので、死の淵から蘇ってパワーアップしたことで18号の動力炉なしで完全体になることができたのではないでしょうか。

 

何故セルが吸収するのが16号ではだめだったのかというのも謎ですが、セル自身が生物なので、完全な機械の動力炉を組み込むのが困難で、人間を有機的に改造した17号・18号の方がセルにとっては取り込みやすかったのでしょう。その意味では、17号・18号は通常の人間としての生物的機能をある程度残していることから、人工心臓のような感じで一部の臓器を代替する形で永久エネルギー炉を搭載していると考えることができます。人間ベースの人造人間で永久エネルギー式なのは17号・18号だけのはずですから、セルが吸収する必要があったのもその2体以外にあり得なかったわけです。

 

さて、では永久エネルギー炉の動力はどのように生み出しているのでしょうか?それは、エネルギー吸収式の場合人間の気を動力に変換できるということがヒントです。人間の気を人造人間の動力に変換できるのですから、17号・18号は自身の「人間としての気」を動力源にすれば人造人間の動力に変換することができます。そうして発生したエネルギーの一部を自身の人間としての生命活動に使用すれば、その生命活動により発生した気を元にまた人造人間の動力を発生させられます。これを無限に行うのが永久エネルギー炉なのではないでしょうか。

もっとも、エネルギー保存の法則の観点から、同じエネルギーを変換し続けても動力は増えませんので、人間の気を変換した際により大きな動力を得ているか、何らかの外部エネルギーの摂取(食事とか)は必要としていた可能性があります。ただ、疲労しないという意味では身体活動が劣化しないということでしょうから、莫大な生命エネルギーが常時供給されていると考えることができ、常に仙豆を食べているような状態と考えると、それだけ大きな変換効率になっていると考えた方が現実的かもしれません。

その仮説に立って考えると、人間の気を人造人間のエネルギーに変換した際、同じエネルギー量でもより効率の良い動力を得ることができると考えられます。それを可能としたのが、ドクターゲロの超技術だったということになるのではないでしょうか。

 

だとすると、完全ロボット型である16号の永久エネルギー炉は、いったい何を元にエネルギーを発生しているのでしょうか。16号がドクターゲロの息子・ゲボをモデルにしているという設定が追加されたことから、16号の身体は機械でできていても、一部のみゲボの臓器が使用されている可能性があります。気を発生させるメカニズムだけ生体部品を使っているという可能性ですね。

そもそも人間が気を発生させる原理が不明であるため、これ以上厳密に考察することは難しいのですが、このように考えると、人造人間の解像度も上がってくるのではないかと思います。

この考察におけるドクターゲロの技術を使えば、悟空たちの気をさらに増幅させる装置を作ることも可能かもしれませんので、ドクターヘドが生存し悟空たちと協力関係になったことは、割と大きな意味を持つのかもしれません。