どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

ブルマにとってのヤムチャとベジータ

ブルマがベジータと何故くっついたのか、というのは割と二次創作の世界で沢山妄想されているのですが、何故ヤムチャではなかったのか、というのはあんまり掘り下げられていないのかなと思います。今回はそこを考察してみたいと思います。

 

ドラゴンボールの物語が始まったのは、「ブルマがドラゴンボールを探し始めたから」であると言っても過言ではありませんが、その理由は「ステキな恋人が欲しい」からでした。

夫ではなく恋人というところが非常にティーンの少女らしいですが、よくよく考えると、ブルマは非常にモテるタイプだったのではないかと思います。何故なら、作中の描写から顔は美人、身体もグラマラスで、しかも大企業の令嬢なわけです。しかも西の都という世界トップクラスの都会に住んでいるわけで、いくら性格に難があっても男などいくらでも寄ってくるし、選び放題だったのではないかと思います。それでも「ドラゴンボールを探す」という手段に出た理由は、おそらく彼女の目に叶う男性が全くいなかったからなのだと思います。

 

そんなブルマは、ドラゴンボールで願いを叶えることはできませんでしたが、その過程で仲良くなったヤムチャとくっつくことができ、結果的に理想の恋人に出会うことが出来ました。

何故ヤムチャならOKだったのかということを考えると、おそらくブルマが男性に求めていたのは「強さ(たくましさ)」だったのかなと思います。イケメンの部類とは言えヤムチャのようなイケメンは都にいそうなものですが、ヤムチャより強い男はそうそういなかったのでしょう(空腹の悟空になら勝てる実力だったわけですし)。顔と強さを兼ね備えていたヤムチャが、ブルマにとってドンピシャの男だったということになります。

 

一方のヤムチャは、極度のあがり症だったために女性に近づくことができませんでしたが、ブルマと行動を共にしたことで克服しました。しかし近づけないだけで女性への欲求は普通の男性並みにあったので、都では浮気しまくりの生活を送ることになります。元々イケメンだったこともあり、寄ってくる女性はいくらでもいたようで、それまで溜めに溜まっていた女性への欲求にあがなうことはできなかったのでしょう。ブルマとは喧嘩しまくりの日々を送ることになります。真面目に修行するときは、人里離れていたのでブルマとも会っていなかったようですし、あまり良好な関係とは言えませんでした。

そんなヤムチャでもすぐに別れなかったのは、やはりブルマにとってヤムチャが理想の恋人だったからなのだと思います。ヤムチャより強い男はその後いくらでも現れましたが(笑)、その中にヤムチャよりイケメンな男はいませんでしたしね。

 

その後転機になったのは、そんなヤムチャを生き返らせるために訪れたナメック星での隠遁の日々だったようです。この頃、ブルマはたくましく成長した悟空の魅力に気づいています。もちろんその時点で結婚し1児をもうけていたわけで、その悟空とくっつくことはあり得ませんでしたが、結婚するまでは女性の中で一番悟空と一緒にいた時間が長かった立場なのに、その魅力に気づけなかった自分の見る目を悔やむ一コマがありました。

つまりこの時点で、ブルマの中では成長した悟空はヤムチャよりも遥かに強く魅力的な男性になっていました。そんな時、その悟空と同じサイヤ人で、悟空に匹敵する強さを持ったベジータが現れるわけです。

 

ナメック星から帰還した後、ブルマはベジータにうちに来ないかと声をかけます。どうせ孫くんみたいにたくさん食べるんでしょ、という言葉から、ベジータを「ヤムチャを殺した悪のサイヤ人一味」ではなく「悟空と同じ人種」と見ていることが分かります。

おそらく、この時点でブルマはすでにベジータに興味を持っていたのだと思います。そこに女性としての下心が、全くなかったわけではないのでしょう。この時点でヤムチャを捨てる気だったとは思いませんが、天秤に乗せるかどうか判断したいという気持ちはあったように思えます。

 

ベジータヤムチャの最大の違いは強さですが(笑)、戦闘力を置いといて内面的な差を言うなら、一番違うのは「強くなろうとする意志」だったのかなと思います。

ヤムチャは悟空やクリリンに置いて行かれていくことを恐れつつも、どこか本気で追いすがろうという気力に欠けているキャラでした。修行をしてある程度強くはなるのですが、いつも足元を掬われる結果に終わるのは、戦闘力よりもメンタル面の方が大きかったようにも感じます。どうしても、モテすぎるが故に強くなることよりも女遊びに溺れがちだった側面があり、大成しないスポーツ選手のようなタイプのように見えました。

それに比べると、ベジータの強くなろうとする意志は尋常ではありませんでした。強くなるためなら自分を半殺しにすることもいとわない性格ですし、特にブルマと出会った時期は悟空が超サイヤ人になったことで非常に焦っていた時期だったため、ブルマには余計にストイックに見えたと思います。

おそらく当時のベジータが、「宇宙最強になるため」や「フリーザを倒すため」ではなく、「悟空を超えるため」に必死だったことがブルマにとってはプラスに働いたのではないかと思います。何故なら、ブルマはその悟空を非常によく知っている人物だったからです。悟空がどのようにして強くなってきたか、一番よく知っている女性と言っても過言ではありません。おそらく、そこまで悟空を超えようとしている人間を見たのも、ブルマにとっては初めてだったでしょう。魅力的な男性の一人である悟空と同じサイヤ人であるベジータが、その悟空を超えるために必死になっている姿を見て、ブルマは「応援したい」と思ってしまったのだろうな、と思います。そして、それはヤムチャには全くない部分でもあったわけです。おそらくヤムチャが本気で「悟空より強くなろう」としたことはなかったんじゃないかと思います。

 

ブルマにとっての「ステキな恋人」の基準は、単に顔と強さを兼ね備えているだけではなく、精神的にもたくましい人だったのかもしれません。ヤムチャには西の都に住む男が束になってもかなわないくらいの強さがあったと思いますが、その精神的なたくましさが決定的に欠けていて、ベジータに及ばなかったのではないかと思います。そしてその点においては、ヤムチャは一生ベジータに勝つことはできなかったでしょうから、ブルマとベジータの関係を受け入れるしかなかったのでしょう。

 

なんとなくですが、ヤムチャの性格が天津飯だったらブルマと上手くやれたんじゃないかと思いますね(笑)その天津飯にブルマが全く興味を示さなかったのは、やはり顔だったのではないかと思います…。