どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

ドラゴンボール超 未来トランクス編はこうであって欲しかった

いつか書こうと思っていたネタです。

 

ドラゴンボール超の未来トランクス編は、トータル的にはとても評価の高いストーリーだったと思います。まず未来トランクスを再登場させたという点、ゴクウブラックという悪役を登場させた点、ベジットを再登場させた点など、キャラクタービジネス的にも大きな成果を挙げたと思います。

 

シナリオ的にも途中までは割と完璧でした。トランクスが新たな敵に敗れ、再びメインの時間軸に戻ってきて、大きく変わった平和な世界に驚く、という流れが丁寧に描かれていて、非常に良かったです。トランクスの未来にもバビディが現れたけど、ブウの復活は阻止したという展開も、誰もが妄想したトランクス世界のその後を一つ違った形で実現していてよかったです。

 

しかし、その先のストーリーはとてもひどいものでした。特にトランクスの未来を全王に消滅させてしまったというのは、あまりにもひどすぎる結末です。ヒロインが未来のマイなのも意味が分かりません。ザマスとの戦いも、「ドラゴンボールで不死身になった敵」を倒す手段が結局見つからず、全王に頼るしかないという情けない結末でした。

 

素材は良かった、組み立ても途中まで良かったのに、途中から滅茶苦茶になってしまったので、未来トランクス編は非常に惜しい内容になってしまった、と言わざるを得ません。

ならばどういう展開ならよかったか、というのを妄想したいと思います。

 

(1)トランクスのパワーアップ

未来のトランクスは、バビディ達との戦いで超サイヤ人2に目覚め、ダーブラを倒したことになっていました。ここはとても良かったと思います。

しかしそのトランクスでも勝てない敵が現れたのに対し、現代の悟空とベジータはすでにゴッドの領域に到達しています。ならば当然、「トランクスを超サイヤ人ゴッドにしよう」と考えるのが自然な流れだったはずです。幸い、未来トランクスが加わったことでサイヤ人の人数もパンを入れなくても満たすことができます。現代のサイヤ人の協力でトランクスをゴッドにして、その力をコントロールできるようベジータと修行した上で未来に送り返せばよかっただけの話です。

超サイヤ人ブルーには当初はなれないものの、終盤で覚醒してブルーになれれば問題なく、謎の青いオーラをまとった超サイヤ人怒りなどという曖昧な形態になる必要などなかったのです。結局ヒーローズでトランクスゼノはゴッドになってるし。

 

(2)ブラックの正体

ブラックの正体は、現代の悟空の体をザマスが乗っ取った姿でした。しかし、もしそうであるなら、現代の悟空の時間軸が「トランクスが未来からやってくる前に」分岐していなければなりません。しかしその時点で誰もタイムスリップしていないので、時間軸の分岐は起きえません。

作中では、ビルスがザマスを破壊しゴワスの命を救ったことが分岐であるように描かれていますが、要するにゴワスの殺害に成功したザマスが悟空の身体を乗っ取ったうえで未来にタイムスリップし、その未来からトランクスがやって来て悟空たちがブラックの存在を知ったことで、原作世界が分岐したということになっています。

しかしブラックの正体が単純に新しい並行世界の現代悟空だった、というのはちょっと拍子抜けでした。そんなギニューのボディチェンジが成功した未来など見とうなかったという感じです。

しかも、ザマスが超ドラゴンボールを使っているというのもちょっと受け入れがたいものがあります。味方だけが許されているチートを敵が使ってきたら、手が付けられなくなるというのをシナリオで証明してしまったからです。体を入れ替えるなんて、ドラゴンボールの力を使わなくてもギニューならできたわけですし、別にドラゴンボールによるものにしなくても良かったのだと思います。

 

個人的には、現代の悟空を乗っ取ったザマスが未来のザマスと手を組むのではなく、並行世界のザマスが、未来の悟空の肉体を乗っ取った未来のザマスと手を組んだという流れの方が自然だったように思います。

例えば、現代の悟空が老界王神の命をもらって生き返ったように、あの世で修行していた未来の悟空が、ザマスに乗っ取られて蘇ったという感じですね。トランクスの未来は界王神が死んでビルスも消滅しているわけですが、その後継者になるべく修行していたとか。この展開なら未来悟飯も何らかの形で登場させられたかもしれません。

 

(3)ブラックの倒し方

一番の問題は、ブラックの倒し方です。不老不死になってしまっている→魔封波を使ってみよう→稚拙な理由で失敗→ポタラで合体したから半分不死じゃなくなってて倒せそう→いざ倒したら宇宙と同化しちゃってゲームオーバー、という流れはエンタメ作品としてあまりにも酷過ぎます。

不老不死になっちゃった敵、というと劇場版のガーリックJr.がいますが、あれはデッドゾーンという異次元に封じられるという結末になっています。同じように異世界に封じるというのはさすがに芸がないですが、実力と無関係に「破壊」できる破壊神がいる以上、もう少しアイデアはなかったのかと思います。

というか最初にブルマが死んじゃってる時点で円満に終わらせる気がなかったのかもしれませんが、それ自体がもう救いがなさすぎてどうしようもありません。

トランクスの未来に界王神も破壊神もいなくなったわけですが、土壇場で新しい破壊神が生まれて、それがザマスを消し去るという展開が一番無難ですかねぇ。その破壊神がトランクス自身でもいいですし、蘇った悟飯とトランクスがそれぞれ界王神と破壊神になっても面白いですけど、別キャラを作っても良いような気もします。

 

(4)マイの存在

当初からヒロインとして存在していたマイですが、現代のマイはドラゴンボールの力で若返りすぎた結果の姿であるというのは周知の事実。未来世界は人造人間が現れた時点でドラゴンボールが消滅しているので、マイが若返りようがありません。そもそも若返っただけで実際はかなり年がいっちゃってるわけで(未来世界はGTに近い時間軸なので、マジで婆さん…)、そんなキャラとトランクスをくっつける意味が分かりません。

現代トランクスとマイの関係は、若返った婆さんだと知らずに惚れちゃってるトランクスとウブなので上手くあしらえないマイが面白いというギャグ的な観点だから成立しているわけで、それをガチシリアスの未来世界で主人公とヒロインされても困りますし、設定的にも矛盾だらけなのです。

未来のマイはたまたま現代のマイがそのまま成長したように見えるだけの赤の他人であって、トランクスはこういうタイプの女性が好みだったんだねってだけでよかったのに、未来のマイを現代のマイに会わせて同一人物かのように描いてしまったので、もう収拾がつきません。

ベジータとブルマ、クリリンと18号など、そこをくっつける!?という展開があり得るのがドラゴンボールですが、ピラフ一味のサブキャラが若返ってまでトランクスとくっつくのはさすがにないだろう…と思います。

 

(5)悟空とベジータが未来に行く理由

未来に行かないとビルスが破壊して終わるだけなので、戦場が未来になるのはまぁ分かります。でも「トランクスが勝てないなら俺たちが行って倒してやる」はないだろうと個人的に思います。強いヤツと戦いたいのがサイヤ人とは言え、かつて若い世代に世界を託そうとした悟空や、トランクスに厳しいベジータが、「お前が強くなってあいつを倒せ」と言わないのはさすがにどうかと思うのです。

しかもいざ悟空とベジータが行っても勝てず、複数回現代に敗走するというのはあまりにも情けなく、尺稼ぎにしか見えないのも悲惨でした。一度トランクスが一人で未来に戻るも、やっぱり心配なベジータが悟空とともにセルのタイムマシンを修理して追いかける、という展開で良かったのではないかと思います。3人でタイムマシンに乗るのも無理がありすぎるので、ミクロバンドくらい使えよ、と思ったりもしました。

 

(6)まとめ、IF未来トランクス編の展開

・トランクスが現代に逃げてきて、ブラックが追いかけてくるまでは同じ

・ブラックはタイムマシンを破壊しない

・トランクスは超サイヤ人ゴッドになり、その力をコントロールする修行を積む

・修行を終えたトランクスが未来へ帰還

・ブラックと互角に戦うトランクスだが、もう一人ザマスが現れ劣勢に

・悟空とベジータがセルのタイムマシンを修理して未来へ

・悟空とベジータでも倒せず、苦戦しているところに時の指輪を使って界王神がやってくる

界王神界へ避難、ブラックの正体が未来の悟空だったことを知る

・トランクスの世界の新しい破壊神と界王神が生まれ、破壊神と共にザマスにリベンジに向かう

・ザマスがポタラで融合して破壊神以上の戦闘力になってしいまうも、ベジットが対抗する

ベジットが融合ザマスを倒し、蘇った不死身のザマスを破壊神が破壊する

 

こんな展開ですかね~。これだとやっぱりトランクスが破壊神になる展開ですね。

漫画版だと悟空が「破壊」を使ったりしますけど、それがありならトランクスが破壊神でもいい気がします。少なくとも、よく似た並行世界でマイとひっそり暮らすだけの未来よりは、名実ともに神となって世界を見守ってた方が救いがあるのではないでしょうか。界王神は悟飯でもいいんですけど、マイがなるのが一番それっぽいですね。ピラフ一味のマイにそっくりだけど実は界王神の弟子のひとりだったとかいうオチで。夫婦で界王神と破壊神になるのも一興でしょう?