どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

成長した悟飯は本来どのようなキャラになるべきだったか

ドラゴンボール超の宇宙サバイバル編があまりにもご都合主義過ぎて思考停止に陥っていたのでしばらくネタが浮かびませんでした。とりあえず悟飯が落ちてサバイバル編の扱いに区切りが付いたので悟飯ネタで行こうと思います。

 

というのも、制作側がすごく悟飯の扱いに苦慮しているように見えたんですよね。悟空と同じような等身・服装でありながら、悟空とは違うキャラとして扱わなければならず、かといって「こういう役割」というキャラ付けがしにくくなっているからです。一応、リーダーという役割は与えられていましたが、物語も作戦もクソもない展開だったのでほとんど生かされていませんでしたし、強さ的にもザコではないが、悟空たちには及ばないというポジションの使い方が分からないからか、その時によって強くなったり弱くなったりする安定しない使われ方をしていました。

これが少年時代のままであったなら、子供というキャラでいくらでも使い方があり、実際セル編までの悟飯はアニメオリジナルや劇場版でも非常に動いていた印象があります。成長させてしまったのが失敗ではあるんですが、これは鳥山氏自身が認めているところで、今更どうにもなりません。

 

そもそも、原作者である鳥山氏自身が扱いきれずに主人公を放棄させたキャラなので、それを他人がどう扱おうとも上手くいかないのはある意味当然なのですが、もう少しキャラ付けはできるのではないかと思い、少し考えてみました。

 

まず、少年時代の悟飯の個性は、「戦いが好きではない」が「キレると瞬間的に凄まじい戦闘力を発揮する」というもので、その時に限って言えば悟空以上の力を発揮することもあり得るというのが明確な個性でした。

ただ、だからといってキレても敵のボスを倒せるほどの力を発揮するわけではなく、瞬間的に劣勢を覆したり、味方のピンチを救ったりするのが精一杯という扱いで、本当の意味で全力を開放して悟空を超えるのは、セル編の超サイヤ人2覚醒まで待たなければなりませんでした。

 

青年時代になると、元々少年時代からその片鱗はあったのですが、「悪いヤツには容赦しない」という個性が加わり、正義の味方としての戦い方をするようになります。悟飯はキレた相手については完膚なきまで叩きのめしたり、「死んじゃえー!」と言ってしまえるので、ある意味悟空よりも敵を「殺せる」キャラではあります。セルやセルジュニアに対しても容赦していませんでしたし、アルティメット化して甘さが消えた状態では悟空とは異質の冷徹さを見せていました。

 

つまり、悟飯の性格は「戦うのは好きではないが、本当に敵と見定めた相手は徹底的に潰す」というもので、悟空が戦うのが好きで、相手を殺すよりも生かしてずっと戦い続けることを望むのとは極めて対照的であると言えます。むしろ戦うのが嫌いだからこそ相手の息の根を止めてしまえると言ってもいいのかもしれません。

 

これは前々から言っていたことなのですが、悟飯は戦いを望まない=回避したいと考えるはずなので、もっと戦わない方法を模索するキャラであるべきだったのかなと思っています。例えば、人造人間と和解するきっかけになったり、ブウをサタンのように手懐けることも悟飯ならできたんじゃないかと思うんですよね。戦いありきのドラゴンボールではそういうキャラが許されなかったということではあると思うんですが、「考え直してはくれませんか?できれば戦いたくなかったのですが…仕方ないですね」とか言っていきなり本気出して一瞬で終わらせるキャラとかだったらもう少し悟空やべジータとは違うカッコよさを出せたんじゃないかなぁとか思います。

 

まぁ悟飯の場合、戦うモチベーションがないので強くさせにくい、というのは理解できます。何もしなくても勝手に強さを求めて修行する悟空と違って、悟飯は敵がいるから仕方なくピッコロや悟空に鍛えられていただけなので、自発的に修行することは難しいでしょう。また、鳥山氏が過去に語っていたように、戦いが好きじゃないキャラを無理矢理戦わせる展開にするのに違和感があったというのも分かります。最終的に戦いを引退させて学者であり良い父親にさせたというのは、ある意味では鳥山氏の親心のようなものなのかなとも思います。

とはいえ今後もドラゴンボールが続き、色々なキャラを強くしていなければならないのであれば、悟飯をどう戦いに参加させていくかということも考えなければなりません。

 

ドラゴンボール超の描写で見れば、悟飯が戦う理由は間違いなく妻と娘がいることにできるはずです。いざというときに悟空やべジータに頼らずに戦える力を得る、というのは十分理由になると思うので、その辺で修行をしていくしかないんだろうなと思います。宇宙サバイバル編では、アルティメットの力を取り戻すだけで精一杯でしたので(そもそもアルティメットは変身ではないので取り戻すとかそういう話ではないはずなんですが…)。

というかもしかしたら、実は悟空やフリーザなんかよりよほど破壊神に向いているような気もしますね(笑)できるだけ破壊を望まないものの、本当にダメなものは容赦なく破壊できるのは、くしゃみで適当に星を壊す誰かさんよりはずっと向いているような気がします。まぁ、ストレスは大きそうですが。

 

外見的に悟空とかぶってしまうのは最早仕方ないので、基本的に悟飯は悟空と違う戦場で戦わせるべきなんだろうなとも思います。かつてのZの劇場版でのトランクスくらいの扱いでいいんじゃないかなぁと思いますね。

あとはとにかく「戦いはできるだけ避けたいと思う」「戦うと決めたら容赦なく潰す」というところを徹底して欲しいかなぁと…そんな風に思うのでした。