どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

ドラゴンボールGTの思い出

ドラゴンボール超は原作っぽくない側面を見せる度に批判されることを避けられませんが、そういう批判が出ると同時に、「GTよりはマシ」という意見と、「これより酷かったGTってどんだけだったんだよ…」というGTを知らない世代の意見が垣間見えたりします。

実際に、GTを最初から最後まで追った身としては、一体ドラゴンボールGTとはどんな内容だったか、ということを改めて振り返ってみようかなと思います。

 

(欠点その1)あまりにも悟空しか活躍しない

当時一番不満だったのがここですかねぇ。「超」では基本的に「復活のF」で鳥山明が引いた強さのラインを基準としているので、悟空とべジータが同格ですが、GTは超サイヤ人4になった悟空だけが強く、それ以外はザコでした。悟飯や悟天はかませ犬の役割すら与えられていませんし、本来主役の一人だったはずのトランクスさえ見せ場はありません。ゴテンクスへのフュージョンも許されず、最後には超サイヤ人4になったべジータさえ、フュージョンのエサになっただけでした。新必殺技のファイナルシャインアタックは超17号に効かなかったしなぁ。

ドラゴンボールZは、悟空が戦線離脱している間のそれ以外のキャラの奮闘も売りだった作品です。だからクリリンやピッコロやべジータの活躍を楽しむことが出来ました。それが一切なかったのが非常に残念でしたね。そういやピッコロなんて死ぬために出てきただけでした。

唯一、ウーブがベビー戦で悟空以外の戦士として出てきましたが、お菓子光線を跳ね返されて食われるという有様で、だいぶ後になってから思い出したかのように実はわざと食われて内部から攻撃するつもりだったと言ったのも萎えました。というかZの最終回で悟空に次ぐ最強の戦士になるはずだったキャラが全然その格を与えられなかったのは悲しかったですね(キャラ的に魅力が薄いというのはありますが)。

今作られていたら、ゲームキャラを増やせるという名目で無駄にゴテンクス超サイヤ人3べジータなどが出ていたと思います。

 

(欠点その2)過去作から借りてきたアイデアばかり

超サイヤ人4や邪悪龍などはオリジナル要素ですが、端々に過去作のアイデア流用と思えるネタが使われていたのも微妙でした。ベビーはツフル人が作り出した生体兵器という意味では、「サイヤ人絶滅計画」で使われたネタですし、ベビーへのとどめの一撃(太陽に吹っ飛ばす)はクウラへのそれで見たものでした。悪人が地獄からよみがえるというのは「復活のフュージョン!悟空とべジータ」のネタですし、ゴジータが再登場したのもそうでした。超17号へのとどめが龍拳だったのは「龍拳爆発!悟空がやらねば誰がやる」ですし、邪悪龍へのとどめが元気玉だったのは魔人ブウへのとどめと同じでした。目新しさやカタルシスという点がだいぶ足りなかったかなぁと思います。

その意味では、「超」は超サイヤ人ブルーの界王拳とか、トランクスの元気剣とか(その後の展開は別として)、一応それまでにない技を出しているという意味で頑張っている方かなと思います。そうそう、「10べえかめはめ波」も嫌いでしたね。界王拳のときはちゃんと「10ばい」って言ってたやんって。超でも「でえふく」とか言ってるけど。

 

(欠点その3)基本的に、対象年齢が低い

多分GTが抱えていた根本的な問題だと思うんですが、話の内容が、Zよりも数段小さい子向けになっていたと思います。パンとギルの絡みなんかもそうですが、基本的に話が小さい子にも分かるように、という視点で作られていたと思います。だからどこか話がコミカルでしたし、悟空が肉体だけでなく精神的にも幼くなっていましたし、理屈の辻褄あわせが適当だったように思います。スゴロク空間とか、いちいち謎の子供っぽさがありました。地獄での悟空対フリーザ・セルなんかはその極地で、「復活のF」と比較したら涙が出てきます。多分、当時の脚本家は完全に子供向けアニメのつもりで作っていたと思います。ポケモンとかデジモンみたいな感覚で。

それに比べたら、「超」はまだ過去作のファンに向けて作られているのが明確で、旧作キャラ同士の絡み(未来トランクスと現代キャラの会話とか、17号やフリーザへのほかのキャラの反応とか)などは非常に力を入れて作られている分、かなりマシな部類です。

 

とりあえず「Z」が持っていた魅力をことごとくスポイルしたのが「GT」だったかなぁと思います。

いい点はなにかなかったのか、と言われると…うーん、大猿という忘れられた存在を引っ張り出してきたこと自体はよかったですね。ドラゴンボールが敵になるというアイデアも良かった。超17号はダメでしたね。なんで17号じゃなきゃいけないのか分からなかった。実は17号はセルよりも強かったのだとか、今見ると未来予知っぽくて笑えますが、当時はアホか、むしろその超17号を蘇ったセルに吸収させろよと思ってました。

邪悪龍も7体いるんだから、それぞれ別の戦士が倒しに行くという展開でも良かったと思うんですよ。ワンピースとかそうじゃないですか。悟空は四星龍とそのついでに三星龍とだけ戦っていればよかったんですよ。そういう発想が根本的になかったのが、GTの残念さかなぁと思います。

 

うん、思い出しても不満しか出てこないですね(笑)。いやほんと、超の方が全然ましです。もう少しGTを擁護できることを言えるかと思っていたんですが、思い出したら不満しか出てきませんでした。