どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

人造人間19号と20号の目的は何だったか

以前考察の中で、セル編の登場人物の中で一番目的が不明なのが、実は人造人間19号・20号だったという話をしたことがあります。

17号と18号はそもそも目的がなかったことから、とりあえず造られた目的である悟空の殺害を目指すことにしました。16号もその目的は自覚していました。セルは究極の生物である完全体になるのが目的でした。

 

19号と20号も、本来の目的は悟空の抹殺のはずなのですが、何故か悟空と全く無関係の場所で破壊活動を開始しています。

これは、未来のトランクスの予言がそうであったからであり、この時点では人造人間は19号・20号しか存在せず、「悟空のいない世界で破壊の限りを尽くし世界を破滅に追い込む存在」であったためなのですが、その後設定が変更されて未来の人造人間が17号・18号になってしまったために起きてしまった矛盾なのです。

 

つまり本来19号・20号は未来の17号・18号のような「無秩序に人殺しをする凶悪な存在」だったはずなのです。その設定が変わってしまったため、もし悟空が心臓病で死んでいたら、19号と20号は何をするつもりだったのか、分からなくなってしまいました。今回はその理由を考えてみたいと思います。

 

まず、悟空を殺す目的があったのは明らかです。しかし、悟空についてのデータは集めてあったにも関わらず、悟空本人やその関わりがありそうな場所ではなく、全く無関係の都市を攻撃しはじめました。その理由はなんだったのでしょうか。

セルのように、一般人からエネルギーを吸収してより戦闘力を上げようとしていた可能性はあります。ただ、ドクター・ゲロ超サイヤ人の存在を知らず、現時点でも十分勝てるだろうという予測を立てていたことから、それ以上強くなる必要を想定していたようには見えません。

 

未来の17号・18号のように無差別に人殺しをしようとしていた可能性も考えられますが、19号は20号の命令で動くだけですし、20号はドクター・ゲロなので理知的に描かれ、狂気や残虐性はあまり感じられませんでした。ただ作中では常に劣勢であり、どんな目的があれまずは目の前のベジータたちを退けなければならない状況だったので、本当は人類を抹殺したかったという可能性は否定はできませんが、ドクター・ゲロの研究内容からそういう目的があったようには感じられませんでした(もし人類抹殺が目的ならセルにもそのような目的が与えられているはず)。

 

かつてのレッドリボン軍のように、世界征服を目的としていた可能性もありますが、それならいきなりキングキャッスルを狙えばいいことです。

 

このように、正直言って作中描写から考察するのは非常に難しいのですが、とっかかりになるのはセル(や人造人間21号)の研究を続けていたことです。これは、ドクター・ゲロに更なる研究の意思があったということになります。

ドクター・ゲロが20号になったのは、「永遠の命を得るため」であったと自ら語っています。それが何故かと考えた場合、セルの完成が遠い未来になることが明らかだったことから、セルの完成を見届けるためであったと考えることが可能です。

セルはドクター・ゲロは研究を諦めたが、コンピューターが開発を続けていたということになっていましたが、もし死なずに何事も起きていなければ、そのまま自ら20号としてセルの完成を目指していた可能性は十分考えられます。その先には、自らの妻である21号の完成を目指していた可能性も、当然あります。 

ただ、そうだとしても、それが悟空と何のゆかりもない一都市で破壊活動を行う理由にはなりません。ただ、20号の目的が研究なのであれば、その破壊活動も何らかの研究の一環であった可能性があります。

 

ところで、19号と20号が悟空を探していたことは確かです。19号がヤムチャの戦闘力を察知して「いきなり見つかった」と言っていたからです。しかし、何故何の変哲もない南の島から悟空を探し始めたのか、理解に苦しみます。

そもそも、未来のトランクスが人造人間はそこに現れると言ったから南の島に行ったわけですが、トランクスの未来では人造人間出現時にはすでに悟空は死んでいます。つまり未来の人造人間は悟空を殺すためにそこに現れたわけではないのです。

その場所に現れた未来の人造人間が17号・18号であろうと、実は未来にもいた19号・20号だったとしても、そこにいた理由は決して「悟空を探すため」ではないのです。

 

つまり、悟空を探していても、探していなくても、人造人間が「そこ」に現れたということになります。だとすれば、一つの推論が生まれます。

人造人間は「南の都から南西9キロ地点の島」に「やって来た」のではなく、「そこから行動を開始した」のではないか。つまりそこに、17号たちが眠っていた研究所とは別の研究所があり、そこから動き始めたと考えるべきなのではないかということです。

これなら、まだその島から行動を開始した理由が分かります。そこがスタート地点だったからです。そこで破壊活動を行ったのも、単なるウォーミングアップだったのかもしれません。

 

ではそこにはどんな研究施設があったのでしょうか。本来の研究所では16~18号が眠っていましたし、地下にはセルの研究室もありました(劇場版では13~15号も)。ほぼこの研究所で全てを賄っているように見えますが、あと考えられるとしたら、19号の開発、またはゲロ自身を20号に改造した施設だったという可能性です。本来の北の都近くの研究所とは別に施設をもつ理由まではわかりませんが、19・20号はそれ以前の人造人間とは異なるエネルギー吸収式でしたから、必要な機器が違っていたのかもしれません。

レッドリボン軍は全世界を股にかけて行動していましたから、研究施設も各地にあってもおかしくなく、ゲロの研究所だって一つしかないとは限りません。ゲロの研究所はベジータやトランクスとクリリンによって完全に破壊されましたが、それでも人造人間21号が現れたのも、他に研究施設があった証明にもなります。

 

というわけで、人造人間19号と20号の目的は分かりませんが(基本的には悟空の抹殺)、南の都方面の島から行動を開始した理由は、単純にそこに研究所があったからと考えたいと思います。