どらごんぼーる考察

がんだまぁBlogからドラゴンボール記事を移植しました。以後ドラゴンボール考察はここで展開します。

ドラゴンボールにおける、漫画とアニメの演出の違い

 ドラゴンボール超のバトルロイヤル編、最強クラスのキャラが力を温存しながら戦っていたり、弱小キャラが活躍していたりと、各キャラの強さのバランスが良く分からない印象が非常に強くなっています。

 ただ、これは漫画とアニメの性質上の違いで仕方ない部分でもあります。

 

 漫画の場合、特に週間連載ではページ数が限られている上に毎週次の号に期待を持たせるために展開がめまぐるしく変わる傾向があります。長々とバトルを続けていると話が間延びしてしまうことから、ボスクラスとの戦闘以外は比較的一瞬で終わる傾向にあります。特に、カタルシスのために「それまで苦戦していたキャラをあとから現れた強キャラが瞬殺する」という演出は良く使われます。典型的なのがフリーザを瞬殺したトランクスですが、悟空もナッパやリクームなどをノーダメージでKOしたりしてますし、逆パターンでパワーアップしたセルがピッコロやべジータを瞬殺したこともありますね。

 そういう演出が多用されるため、戦闘力が高いキャラは、低いキャラに一方的に勝利できるというイメージが強く、ドラゴンボールの場合は特にその印象が色濃く出ていると言えます。

 

 一方で、アニメは放送時間が長く、漫画と同じペースで続けるとあっという間に話が終わってしまうため、話を引き伸ばすためにオリジナルのエピソードを挟んだりすることが古今東西よく行われてきました。ドラゴンボールなんか気を溜めているだけで話の半分使ったりしてましたからね。典型的な例であると言えます。

 そんな事情があるので、原作漫画では一瞬で勝負が付いた戦いでも、比較的いい勝負に見せる場合もよくあります。そして話の都合上、間を持たせるために原作では手も足も出ないパワーバランスの相手でも、そこそこ互角の戦いをしたりすることが多々あります。

 例えば、魔人ブウの体内に侵入した悟空とべジータが、悟飯やゴテンクスのコピーと戦うエピソードがありましたが、当時の悟空とべジータでは、超サイヤ人3にならずに悟飯やゴテンクス超サイヤ人3)に勝つのは難しい戦闘力バランスでした。しかし実際はいい勝負をしており、本人ではないとは言えやや納得のいかない展開だったことを覚えています。

 このように、アニメでは話の都合でいくらでも力が劣る相手が善戦できるので、戦闘力の強弱のバランスは演出で無視されることもあるのです。「ドラゴンボール超」は、このアニメの演出方法に則って作られているため、パワーバランスが良く分からなくなっていると言えます。ましてや、複数のキャラが入り乱れるバトルロイヤルでは、厳密な戦闘力の序列に沿って戦いを演出するのは困難であり(というか多分ゴッドクラスのキャラがフルパワーで全員吹っ飛ばすだけで大半が消える)、話の都合で強さを変えざるを得ないのです。

 

 とはいえ、これが魔人ブウ編終了直後ならともかく、神の領域に達したキャラにはそれ以下のキャラは手も足も出ない、というビルス基準が出来た後の話では正直しんどいよなぁ、とも思いますけどね。まだ悟空がゴッドの力をちゃんとコントロールできておらず、ブルーに変身可能になる前の話だったらなぁ、なんて思ったりもします。

 まぁ、とにかく言えるのは、アニメではあんまり戦闘力の強弱の差は気にしない方がいい、ということかなと思いますね。そういうのは鳥山明が直接作った作品の中だけで考えた方が、精神衛生上は良いかなと思います。劇場版の敵とかも強さ曖昧ですしね。